桜が散るピンクのかわいらしい表紙に対して、奇をてらったタイトル
小説の冒頭も
クラスメイトであった山内桜良の葬儀は、生前の彼女にはまるで似つかわしくない曇天の日にとり行われた。
という死亡フラグ満載な感じで始まる
もう絶対お涙頂戴な小説でしょ
あるあるだなぁ~
そんな風に捻くれた先入観のまま読んだけど、
最後本当に泣けた・・・・
青春てイイネ!なんか読後は一回り老け込んだ気がする(良い意味で)
ということで、今日は最近文庫化した小説『君の膵臓をたべたい』の感想を書きます。
あらすじ
ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。
それは、クラスメイトである山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。
そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて——。
読後、きっとこのタイトルに涙する。
感想
ホラーっぽいタイトルだけど、ホラー・ミステリー要素はまったくない
ミステリ好きなので、どうせなら
桜の舞う季節の残酷連続殺人事件-…
すべての死体には狂気の共通点が…!
震撼の展開に読む手が止まらない
ー君の膵臓が食べたい…ー
とかの方がそそられるのになぁ、と思いながらも長い間店頭に山積みになっているので手にとってしまいました。
そして冒頭からのヒロインの死亡フラグに、ああこれ、男の子との出会い辺りから始まって恋に落ちて、闘病するも努力の甲斐虚しく…っていうパターンのやつだ!
と、思いながら読んだのに、それでもなんとなくわかっていたことなのに、最後は感動しました。(すいません、なんかこう、泣かせようとしてくる小説が苦手なんです)
高校生の男の子が主人公なんですが、もう青春ていいな!と
すごい、きらきらした小説で仕事で疲れた疲れ目に染みました。
台詞が多いので漫画みたな感覚で一度も手を止めることなく読みきりました。会話がまた可愛い!
そしてラストシーンの衝撃と、最後友人との和解。
ああこうやって人は成長していくんだなぁ、と孫を見守る祖母のようなあたたかい気持ちになりました(?)
ブログ仲間破天荒OLとのGW旅行の帰り道に読んでいて涙ぐんでるのバレたら嫌だなと思ってハラハラしましたが、破天荒OLは船酔いで死んでいたので大丈夫でした(船旅だった)。
作者の住野よる先生
ざっくりした情報ですが、この作者は男性で私と同じ年齢(28歳)らしいのでよけいに親近感がわきました。
この作品はデビュー作で二度、賞に応募するも落選して、その後ネット上で公開して口コミで話題になったようです。すごい!
また新刊出ているのでそちらも読んでみようと思います!
Twitterでめちゃめちゃ呟いていて、面白いです。
映画化について
「第2のセカチュー」 という広告を良く見かけます。セカチュー?小説を読んだかぎりセカチューと全然話ちがくない?と思いましたが、映画版は本編と、12年後のストーリーが交差するようにできているらしく納得しました。
小説とはだいぶストーリーが違うみたいですね。あとセカチューが16年前だと知って愕然としました。
はい、そんなかんじで最近読んだおすすめ本の紹介でした。時間があるかたは是非読んでみてください~!
はる