【2016/12/20追記】
話題沸騰中の映画、「この世界の片隅に」を観てきました。
超個人的感想をつぶやきます。
ネタバレありです。
前情報ゼロで劇場へ
冒頭で話題沸騰中とは言ったものの、妹が母に勧め、その母が私を連れて行ったという形だったので、私自身は映画の内容を全く知りませんでした。
ただ”アニメだけど先入観なしで観たほうがいい”というメッセージが妹から着ていたので、「アニメだけど先入観なしで観たほうがいいのかー」とぼんやり思っていただけです。
君の名は(見てないけど)みたいな、淡い感じのラブストーリーかな?
というふんわりとしたイメージを持ち続けられたのは、広島弁と昭和初期の風景が映し出されるまで。
そこでやっと戦争の絡んだ映画だということがわかったのですが、時すでに遅し。
あぁ…私が馬鹿だった…
戦争の映画を見ない理由
戦争映画が苦手です。特に日本が絡むもの。
なぜかというと、過剰に感情移入してしまい必ずあとで苦しくなるから。
映画以外で、美術品や本などでも感情に影響しすぎることがあります。
よく言えば感受性が豊か、悪く言えば考えすぎて面倒くさい。
自分もそうかもなぁと思う方は、最近話題になっているHSPという性質かもしれませんね。
HSPとは、5人に1人が当てはまると言われる性格のことで、その中には内向的な人も外向的な人も色々な人がいます。個人が有している多くの特徴の中の一つです。
もし周りと比べて自分の感じ方に違和感を感じたことがあるのなら、この本を読むことをお勧めします。
当てはまることも当てはまらないこともあるけど、私はこれを読んで少し救われた気分になりました。
”社交的に見られるけどいつも底抜けに明るいわけじゃないのにな…”という私のような方は、ぜひご一読ください。
HSPの人が快適に生活するには、自衛することが一番の対策だそうです。つまり、負の感情を引き起こすものに極力近づかないこと。
私自身、悲しい映像は私の感情をマイナスに振れさせことを自覚しているので、自分の感情コントロールのために近づかないようにしています。
だから私の好きな映画は、本当に分かりやすくハッピーエンドなもの。
ラブコメディ、正義のヒーローvs悪の組織、ゾンビ…
ミニシアター的な繊細な映画が好きな妹からは若干呆れられますが、私にはこれが安心です。
テンション上がるような映画を見るとテンションが上がるので逆に良いことかもしれませんね。(笑)
あらすじ
1944年(昭和19年)、絵が得意な少女浦野すずは広島市江波から呉の北條周作のもとに嫁ぐ。戦争で物資が不足する中、すずは不器用ながらも懸命にささやかな暮らしを守るが、軍港の呉はたびたび空襲を受けるようになり、1945年(昭和20年)6月、すずも空襲後の不発弾(時限爆弾)の爆発で右手首から先を失う。見舞いにきた妹のすみからお祭りの日に帰ってくるよう誘われるが、その当日8月6日、呉では閃光と轟音が響き、広島方面からあがる巨大な雲を見る。8月15日、ラジオで終戦の詔勅を聞いたすずは、今まで信じていた日常を裏切られたくやしさで泣き崩れる。翌年1月、すずはようやく広島市内に入り、祖母の家に身を寄せていたすみと再会。両親は亡くなり、すみには原爆症の症状が出ていた。廃墟となった市内で、すずはこの世界の片隅で自分を見つけてくれた周作に感謝しながら、戦災孤児の少女を連れて呉の北條家に戻るのだった。
(wikipediaより)
映画の感想
さて本題に戻って、「この世界の片隅に」ですが、前半はとても楽しく見られました。
主人公のすずは絵を描くのが好きな女性で、劇中の様々な場面で絵に関連する描写が出てきます。風景と絵画が溶けあう様子、それがとても美しいです。
登場人物の表情も豊かで個性が描かれていますし、コミカルなシーンも多く、全く飽きずに常にワクワクして見ていられました。
月並みな感想ですが、素晴らしい作品だと思います。
でも最後の方は…ただただ辛かったです。
ネタバレと言っておきながら大胆に省きますが、少しずつスクリーンを見られなくなってエンディングでは下を向いてひたすらポップコーンを食べていました。
隣に座っていた母親から「映画よかったね」と言われた瞬間、その言葉に反応して涙が溢れ出して立てなくなり、シアター内最後の1組になってしまいました。
帰りにゲームセンターに寄って散財し、クレープを食べたことで少し落ち着いて帰ることができましたが(機嫌を治す方法が子供すぎ)、数日経った今でも思い出すと視界が滲むほどです。
何が「よかった」のか
何が私の感情にこれほど訴えたのでしょうか。
映画後半、爆発に巻き込まれたすずは大好きな絵を描いていた右手を失い、右手を繋いでいた姪の晴美さんはこの世からいなくなってしまいます。
それでも皆は「すずさんが生きていてよかった」「この程度の怪我で済んでよかった」
など、「よかった」「よかった」とすずを励まします。
しかし、すずは、やり場のない怒りを地面にぶつけます。
「どこがどう良かったんか うちにはさっぱり判らん」と言いながら。
私には、まさにこの言葉が全てをを言い表しているように感じました。
戦争がなければこんな不幸は一つも起こらなかった。
大すぎる不幸の中で小さな幸福を喜んでどうするのだ。
日常の幸せを生き生きと描けば描くほど、それを囲む大きな不幸が鮮明に浮き彫りになる。
そしてその日常は現代の私たちのそれと似ている様子が見え隠れするからこそ、感情が入ってしまう。私たちが実際にそこに生きていたように…
「はだしのゲン」のように被爆地を直接的に描いた作品はもちろん私たちの心を揺さぶるし、リアルな情報を提供してくれます。
しかし「この世界の片隅に」はまた異なる角度で、何か体感に近いものを、私たちに与えてくれたように思えます。
「よかった」という言葉は容易に使いたくありませんが、ものすごく心動かされる素晴らしい作品でした。
メンタルにそこそこ自信のある方には是非お勧め。自信ないけど観たい方は、予習して心の準備をしてから行きましょう。
【追記】
以下のようなコメントをいただきました。
ものすごく共感。HSPって言葉を知らなかったけど1−2割程度の鑑賞者が極端に感動している印象ですね。普通に感動している人が多くてびっくりしたよ。
これほど心を動かされたのは私だけじゃなかったと知ってホッとしました。
「感動」という言葉では表せないこの気持ち、あなたも体感してみますか?
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劇中では 素敵な恋が描かれていました。私も…
何者も見たよ!