私は10月の土日のほとんどを一緒にブログをやっているともと過ごした気がする。
ともが出張で東京に来ていたからだ。
金曜日の夜10時から飲み、土曜はともの仕事が終わるのを待ち、夕方五時から飲み、日曜はディズニーやハロウィンに遊びに出かける。
そんな生活を繰り返していた。
そこで、飲みの席で「そろそろどこかに旅行に行かない?」
という話題になった。
そして、カナダと同様に兼ねてから人生で一度は行ってみたいと半年に一度は話題にあがっていた屋久島に行くことになった。
ここで話は変わるが
トリップブルー
という言葉をご存じだろうか。
マリッジブルーをもじった私たちの造語で、半年前や一ヶ月前に旅行を計画しているときはワクワクしているが、
一週間前くらいからは
本当に旅行に行きたくない。旅行に行くくらいなら家で眠りたい。
と情緒不安定になる現象だ。
この屋久島も例外ではなく、
というか、年を重ねる毎にこのトリップブルーの症状は酷くなる。
旅行を思いついた時が一番楽しくて、旅行前日は激萎えしキャンセル寸前だ。
私達のLINEやりとり
本来「今から屋久島~楽しみ!」とインスタをアップしても良いタイミング、当日の朝に私がともに送ったラインメッセージがこれだ。
今私が一番できたら幸せだと思うことは屋久島なんかじゃなく
温かいふかふかの布団で眠ることだ
11月21日(土)の朝、屋久島に向かうため空港に向かったの私たちの会話だ。
屋久島へのテンションを下げる、私の家で寝ていたい発言に対して、ともの適当な返事。
このあと、私とともは鹿児島空港で合流し屋久島へ向かったが、何に対しても気力が起きず私はこの一日化粧をすることすらできなかった。
原因
なぜこんなことが起きてしまうのか、原因を考察してみた。
考察してみたが、答えは簡単だった。
寝不足だ。
準備がめんどうだとか、仕事が終わらないとか細々と色々な要因があるが、
そのすべてが寝不足に起因し、寝不足に収束している。
その最たる例が今回の屋久島だ。
まず、平日は私的に体力の限界まで働いている、というか、余った体力分は飲みに行っているので週末には眠気の限界を迎えている。
なのにも関わらず、屋久島前日は予期せぬ会社の課の飲み会があり恵比寿で飲みカラオケに行きダーツバーに行き家についたときには0時をまわっていた。7時の飛行機に乗るため、4時には起床していないといけない。
そして飲み会の終盤、ともに電話をするも出なかったためラインを送った。
笑いごとではない。
荷物を持っていくのを諦める心境は壮絶なものだ。
そしてそんなともにつられ、私の荷物に対する意識も低下していった。
カメラと携帯、コンタクトケース、すべてがポケットに入りそうな荷物だ。
そして、ともがパーティーという単語を口にしはじめた。
パーティー?
パーティーに不信感を覚える私がいたが、もうお酒を飲み酔っているし、屋久島のプレッシャーもあるし、友人が間違った「旅行前日の過ごし方」をしようとしているのに止めることができなかった。
そして、深夜0時47分
「早く屋久島に着きたい」という切実な思いを発したあと就寝し
4時18分、絶望的な気持ちで朝を迎えている。
睡眠時間わずか3時間半、ともに至ってはパーティーというよくわからないものに参加し不眠のまま鹿児島に集合している。
そして、このラインは最初に紹介したメッセージに戻る。
この状態で一日移動し、次の日には往復22キロのトレッキングが控えている。そんな状況下で「屋久島たのしみー♪」と言える自分は到底想像できない。こうして、毎回私とともはトリップブルーに陥り、最低限の用意、もしくは最低限の用意もできずに現地入りをすることになる。
屋久島当日
前置きが長くなったが屋久島は今思い出せばとても楽しかった。
夜も明けない真っ暗な道を歩き
トロッコが走る線路の上を8キロ歩き
山道を3キロほど歩き縄文杉を向かえ、同じ道を帰る
トロッコ道は長く景色も変わらなかったが、屋久猿や、屋久鹿に出会い
ガイドのお兄さんのうんちくを聞き、
後ろを歩く同じツアーグループの男の人がもののけ姫の口笛を吹き
「え、もののけ姫?」「口笛?笑」とともと笑うのは楽しかったし、一年分のマイナスイオンを浴びたと思う。
屋久島は大きな岩でできていて、土があまりないのは新鮮だったし、水はどこで飲んでも美味しかった。
山道に入れば「これ筋肉痛絶対やばい」
と騒ぎながら歩き、周りには樹齢1000年を越える屋久杉が現れる。
自然はもちろん綺麗だし、空気がきれいなかんじもする。
最高だ。
しかも普段なかなか会えないともと、これでもか、というくらい話続けた。やはり旅行前は少し忙しくて情緒不安定になったりするけど旅行って素敵!屋久島最高!屋久杉最高!
終着点縄文杉
ここで、最も有名とされる縄文杉の手前の道中にある大王杉という、実は縄文杉より樹齢の長い木の前で撮った写真がある。
わかるだろうか。
写真右にいるともは、屋久島のスーパーで靴を含め購入した服を着ている。その縞の長袖Tシャツとベージュのよくわからない丈のズボンは26歳のOLが人前で着るとは思えない服だ。
なぜか。
パーティー用の服しか用意していなかったからだ。
縞の服が囚人のようだ。
そして、左に移る私も本当にダサい丈のスウェットをはいている。
野球のユニフォームのようだ。
私は服をチョイスして持ってきたにも拘らずだ。
そして、その格好で念願の縄文杉を向かえる。
樹齢2000年を越える縄文杉。
11キロも歩いて辿り着いた。
ふーん…
ふーーん…これが…あの縄文杉
縄文杉に関しては「ふーん」と思った。
感動がなかったとか、縄文杉がショボかったわけではない。
これまでの道のりも同様に凄かったからだ。
こうして、私達は屋久島制覇をやりとげた。
ホテルに戻り飲んだボジョレー・ヌーボーは格別に美味しかった。
そして三連休明け、朝起きて驚いた。
目は覚めているが起き上がれない。
時間をかけて起き上がったはいいが、駅のホームに続く階段が降りることができない。
このあと疲れがとれるのに一週間かかった。
空のボジョレーにかかる花はとものパーティーの名残…